セガXDが仕掛ける「ゲーミフィケーション」が面白い!今、企業から“ゲーム”が再注目されている理由

セガXDが仕掛ける「ゲーミフィケーション」が面白い!今、企業から“ゲーム”が再注目されている理由

ユニークな3つの事例をご紹介!

『ぷよぷよ』『サクラ大戦』『龍が如く』…

誰もが一度は遊んだことのあるゲームの会社・セガと、電通との合弁会社・株式会社セガ エックスディー(以下 セガXD)が、「ゲーミフィケーション*」のソリューションを開発しているそうです。

*ゲーミフィケーション…ゲームのメカニズムを非ゲームの分野に応用することで、ユーザーのモチベーションを高め、その行動に影響を及ぼすこと

気になるその事例を、同社のCOO・伊藤真人(いとう まなと)さんに伺いました!

〈聞き手=山田三奈(企業トピ編集部)〉

ゲーミフィケーション業界の風雲児・セガXDの取り組み

伊藤さん

セガXDは、セガグループで培ったエンタテインメントのノウハウやゲームメカニクスを活かして、企業や社会の課題を「ゲーミフィケーション」で解決する会社です。

山田

世界中で愛されるゲーム会社の出身企業が本気で取り組む「ゲーミフィケーション」…


一体どんな取り組みがあるんでしょうか?

伊藤さん

業界問わず、さまざまな企業や自治体からお問い合わせをいただいています。


私たちの取り組みのなかから、3つの事例をご紹介しますね。

① ベネッセと初コラボ!「英語攻略リズムゲーム」

伊藤さん

2024年春には、英語攻略リズムゲーム「Risdom(リズダム)」のリリースを予定しています。


教育サービスで知られるベネッセさんとの初コラボで、現在絶賛開発中です。

伊藤さん

ゲームとしてリズムバトルを楽しみながら、「もっと強くなりたい」「クリアしたい」というときに、課金の代わりに英語学習をおこなうサイクルで、英検®5級~1級*レベルまでの英単語・英文法をマスター


新しい知識を覚えるごとにキャラが強くなっていくゲームです。

*英検®…公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標。このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません

山田

攻略ゲームみたいな要素があって面白そうです!

伊藤さん

攻略が楽しみになるように設計しました。


というのも…ベネッセさんとしては、小中学生の勉強に対するモチベーションが年々下がっていることに危機意識を持つなかで、ゲームで遊ぶ時間は年々増えていることが調査でわかったそうなんです。


今回のコラボレーションを通じて、つい夢中になってしまうゲームを“学びの機会”に変えることで、モチベーションの低下を解消できると考えています。

② 「体験型防災訓練」

伊藤さん

楽しく防災を学ぶ“体験型防災訓練”「THE SHELTER(ザ・シェルター)」の企画・演出・進行も、私たちが担当しています。

山田

これが防災訓練…?映画の広告かと思いました。

伊藤さん

まさに映画さながらのスリリングなゲームになるように、ストーリーにはかなりこだわって設計しました。

「THE SHELTER」のストーリー

  • 未確認隕石を突如確認。日本政府より特別警戒警報の通達

  • 隕石が神奈川県内に落下する可能性が非常に高いことが判明。衝突予想時刻までは1時間強。全住民の早急な避難が要請される

  • 時間内にシェルター(避難所)へ全員が避難し、最後に隕石衝突の爆風を防ぐためにシェルターの扉を閉められれば避難成功

伊藤さん

参加者はミッションのなかで、実際に「地震や風水害、火災などを疑似体験できるブース」で防災体験をしながら避難を目指します。

ミッションクリアがかかっていれば消火活動にも力が入りそうです

伊藤さん

私も当日はスタッフとして参加しましたが…参加者のみなさんの前のめりな姿勢を受けて感動しましたね。


防災訓練って、「時間がない」「関心がない」「会場まで行くのが大変」みたいな理由で後回しになりがちじゃないですか。


でも、ゲーミフィケーションなら「行ってみたいイベント」に変えられる。そんな確信を持てる機会になりました。

③ 障がい者雇用の課題を解決「社内研修用ボードゲーム」

伊藤さん

東京都ビジネスサービス株式会社さんとは、『ズバリ 気配り アニマッチ』というボードゲームを共同開発。


これは、企業の障がい者雇用における課題や悩みを解決するための社内研修用ボードゲームです。

山田

障がい者雇用の悩みを解決…一体どんなゲームなんでしょうか?

伊藤さん

企業が障がい者雇用を実施するにあたって、“社員が持つべきマインドセット”を実践的に育めるボードゲームです。


具体的には「合理的配慮」の考え方、つまり個人に向き合い、話をしっかりと聞き、適切にサポートする方法を自然に学ぶことができます


簡単に遊び方を説明すると…まず参加者が多種多様な個性を持った動物たちのキャラクターになりきります。

「ADHD」や「双極性障害」などの特性をイメージして考えられた設定なのだそう

伊藤さん

チームで仕事をしていくなかで、それぞれに困難が発生するので…


メンバーは「静かな環境のほうが集中できるかな?」「指示は細かいほうがわかりやすい?」のようなヒアリングによって柔軟に合理的配慮をしていきます。


配慮された側がその“配慮度合い”を評価して、高得点を目指すゲームです。

山田

なるほど…一人ひとりへの柔軟な対応が肝になるゲームなんですね。

伊藤さん

「障がいを持つ人にはこう対応すればいい」みたいな“正解”はないものなので、一人ひとりとの対話を大事に設計しました。


チームで解決を試みる“協力ゲーム”だから、チームビルディングにも向いていると思いますね。

今「ゲーム」が再注目されている理由

山田

今後ゲーミフィケーションは、企業や自治体などの課題解決にさらに必要になっていくと思いますか?

伊藤さん

はい。


サービスがあふれて飽和化している今、機能的な価値での差別化が難しくなってきているので…


最近では、UXやCXなどの“顧客体験の質”に重点をおいた「情緒的価値」を意識したプロダクトデザインがどんどん増えてきていますよね。

山田

たしかに、エモ訴求のサービスが増えた気がします。

伊藤さん

ゲームはまさに冒険・恋愛・格闘・スポーツなど「人の心を揺さぶる要素」をたくさん備えていることから、“熱狂的なファンを生み出す仕掛け”として再注目されているんですよ。


ゲーミフィケーションを通して、世の中の辛いこと、大変なこと、でもやらなくてはならないことが、すべて「つい楽しくてやりたくなるモノ」になるような世界にしていきたいです。

楽しみながらビジネスや社会の課題を解消するゲーミフィケーションを生み出す、株式会社セガXD。

「ユニークな仕掛けでユーザーの興味をひきたい」「今以上にユーザーの熱を高めたい」と望む企業や自治体のみなさんは、ぜひ力を借りてみては?

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