総合武道「空道」って? 未就学児〜シニアまでの「やってみたい」に応える“武道の真髄”とは

総合武道「空道」って? 未就学児〜シニアまでの「やってみたい」に応える“武道の真髄”とは

「考える力」と「相手への思いやり」を育てる
企業ロゴ画像

空手と柔道の“いいとこ取り”をした総合武道「空道」を知っていますか…!

人気の秘密は、パンチ、キック、投げ、寝技…“なんでもアリ”な自由度と多彩さ。

“武道”というとハードルが高そうですが…指導にあたる大道塾 大田支部支部長・中村知大さんのもとには、小さな子どもから未経験者の大人たちも続々と集まっています。

多くの人を惹き付けるのは、中村さんの「“やってみたい”を尊重する」という想いだそうで…道場の方針や雰囲気を、詳しく伺いました。

〈聞き手=鳥山可南子(新R25編集部)〉

“なんでもアリ”な総合武道は、世界中に愛好者が増加中

中村さん

空手から発展した「空道」は、あえて言うなら空手と柔道を掛け合わせたような総合武道


パンチやキックなどの打撃、柔道のような投げ技、寝た状態からの関節技・絞め技など、“なんでもアリ”の競技です。

中村さん

空道は自由に技の組み合わせを考え、自分のスタイルで戦うことができるため、その可能性と多様性が魅力。


いまや世界50か国で、10万人以上の愛好者がいます。

鳥山

グローバルですね…!

中村さん

私の所属する「大道塾」は、空道の創始者である武道家・東 孝(あずま たかし)が創設した、空道を所管する団体。


強くなるための稽古や努力は「人間として完成」するために役立つという信念から、道場は人間形成・教育の場であるという意味を込めて「塾」という言葉を使っているんです。


大田支部は、後進の育成を狙いとして2019年に開設しました。

鳥山

どういった人が門を叩くのでしょう?

中村さん

正直こういった競技の場合、他の武道や格闘技の経験者など、いわゆる“ガチ勢”が多かったりするのですが、大道塾は初心者も大歓迎


中学生までを「少年部」、高校生以上を「一般部」と呼んでいるのですが、未就学の幼児〜60代の大人まで、たくさんの塾生が通っています。


空道は、子どもの成長にも良いことがたくさんあるんですよ。

子どもの「やってみたい」を尊重。考える力と思いやりの心を育てる

中村さん

12歳までに多様な動きを取り入れた運動をしていると、心身の発達にいい刺激を与えると言われています。


組技と打撃の両方を兼ね備えた「空道」の身体の使い方は、まさに多彩。


「バランス力」「瞬発力」「持久力」など、さまざまな運動能力を均等に刺激し、子どもの身体の発達を促進することができるんです。

鳥山

打撃も寝技も関節技も…危険はないんですか?

中村さん

空道の規則として、まず子どもの顔へのパンチは禁止しています。


試合では、腕・脚・胴体・フルフェイス型のマスクとガッチリ防具をつけるので、直接的に衝撃が加わることはありませんので、安心していただきたいです。

中村さん

大田支部では、多くの技のなかから自分なりの戦い方(=スタイル)を考える力と、相手に対する思いやりの心を身につけられるよう、指導しています。

鳥山

相手への思いやりの心?

中村さん

武道が“人を倒す技術”を学ぶものであることは事実です。


だからこそ、疑似的な戦いのなかで感情をコントロールする力を養うことが、武道の真髄とも言えます。

中村さん

相手は自分より大きいのか小さいのか、技量はどのくらいなのか…よく観察しながら、感情的にならず、適切な行動に移していく


そのためには「自分」をわかっていないと対処ができません。自分を知ることは、相手への想像力を培うことにつながります


そうした経験の積み重ねによって、相手への「理解」、そして「思いやり」を自然と身につけることができるのです。

鳥山

ほかに、大事にしている稽古方針はありますか?

中村さん

子どもたちの「やってみたい」という気持ちを尊重していることです。


試合や昇級審査会は、強制ではありません。


子どもたちが自分の気持ちに折り合いをつけながら、一歩ずつ進んでいく。


それによって感情と思考をコントロールする術を身につけ、「実行する(やり切る)」力を伸ばしていくことが大切だと考えているんです。

会社帰りに、大人の部活動。出入り・服装自由で参加できる

中村さん

「一般部」は、ひと言でいうと、“大人の部活動”といった雰囲気です。

鳥山

こちらの稽古の特徴は?

中村さん

なんといってもアットホームな雰囲気であることです。


大田支部では、少しの時間でも「稽古に参加したい」という塾生の気持ちが最優先。


遅れての参加や早退も自由ですし、すべての稽古において強制することはありません。

鳥山

スキマ時間にちょっと参加するのもアリですか?

中村さん

もちろんです。


私自身、会社員をしながら稽古に通っていたことがあり、稽古に参加する難しさは痛感しています。


翌朝早くから仕事があるため早退したり、子育ての事情で30分だけ参加したりと、皆さんそれぞれライフスタイルに合わせて参加していますよ。

鳥山

想像以上に自由そう…!

中村さん

会社帰りの方もいらっしゃいますから、Tシャツ・短パンなど、道着以外の服装でもOK


さらに、稽古をしていない時間帯は自由に道場を利用可能です。


用事の合間に少しサンドバックを使ったり、稽古後に気になる技術を復習したり。ご自身のペースで道場を活用していただけます。

「空道を通して視野を広げて…」元・世界王者の支部長の想い

中村さん

指導者は、世界大会を経験したメンバーばかり


かくいう私も、世界大会で準優勝2回、優勝1回しています。

鳥山

なんと世界チャンピオン…!

中村さん

未経験のお子さんはもちろん、全日本や世界大会優勝などのトップレベルから、シニアの部での試合出場を目指す方まで。


それぞれの年齢やレベルに合わせた指導をおこなっています。

中村さん

私自身は日本代表の強化委員も担当しており、そこで得た知見を道場生に還元していければと思っています。


また道場運営以外にも、省庁の「ひきこもり」関連事業に関わるなど、難しさを抱えた人たちへのサポート活動にも積極的に取り組んでいます。

中村さん

私は選手として、キューバやメキシコ、ロシアなど多くの国に遠征しました。


また空道を通して出会った友人たちとはいまでもつながっていて、長崎の田舎出身である私の視野を大きく広げるきっかけとなってくれました。


塾生にも、ただ練習するだけでなく、空道を通して視野を広げるような経験をたくさんしてほしいと思っているんです。

中村さん

もしお子さんがやれるかどうか不安であれば、まずは一度無料体験してみてください。一緒にもっとも良い方法を考えていきましょう。


普通の会社員として働きながら、60歳になっても試合や審査に出場している方たちも多くいます。自身の体調に合わせて、できることを楽しみつつ健康になっていただきたいです。


ご興味があれば、ぜひ一歩を踏み出してみてください!

聞き慣れない競技「空道」ですが、「難しいことは一切抜き! 楽しんでやりましょう」という中村さんのお話が印象的でした。

心身を成長させたいお子さんから健康のためのシニアまで、個人に合わせた目的で取り組めるのもうれしいポイント。

無料体験もあるので、気になる方はぜひ一度、大道塾 大田支部に問い合わせてみてくださいね。

〈執筆=吉河未布/編集=鳥山可南子〉

この記事をシェア
あなたの企業トピックスを新R25で発信しませんか?