「途上国に学校を建てる、だけでは不十分でした」30歳からチャレンジした“世界の教育改革”

「途上国に学校を建てる、だけでは不十分でした」30歳からチャレンジした“世界の教育改革”

すべての子どもたちに「学びの喜び」を
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いきなりですが、世界に「学校教育を受けることができない子どもたち」が何人いるかご存じでしょうか?

正解は、約3億人

日本だと当たり前のように通えている学校ですが…世界には、学校に通えない子どもたちが数多く存在しているのだそうです。

そうした現状を解決しようと奔走しているのが、一般財団法人日本寄付財団を設立し「maaaru(マール)」というプロジェクトを手がけている村主悠真(むらぬし・ゆうま)さん。

個人も企業も“世界規模で貢献できる”プロジェクトの取り組みを、くわしくお聞きしました。

〈聞き手=山田三奈(新R25編集部)〉

世界初の教育ネットワーク「maaaru」プロジェクトとは?

村主さん

「日本寄付財団」は、2021年11月に設立した一般財団法人です。


世界が抱える社会問題の解決と、幸福度の平均値の底上げに向けた支援をおこなっています。

村主さん

2022年夏には、すべての地域、すべての子どもに等しく教育機会を提供することを目標に掲げたmaaaru(マール)」プロジェクトを立ち上げました。

山田

“マール”…?

村主さん

「maaaru」は、途上国の教育支援を通して世界・未来を「まる」で繋ぎたいという想いから付けた名前です。


単なる丸ではなく、地球や星の基本的なかたちであり、右も左も上も下もない「円」という意味があります。

村主さん

ユニセフの統計によると、全世界の就学年齢のうち約3億人が、貧困や紛争などの理由から学校に通うことができていません。


「maaaru」はそんな子どもたちのために立ち上がった、世界初の本格的な教育ネットワーク構築を目指すプロジェクトです。


すべての子どもに等しく教育機会を提供し、学校に通えない子どもたちをゼロにすること目標に活動しています。

「maaaru」の取り組み① 途上国の「放置校舎」を立て直す

村主さん

「maaaru」のミッションは、可能性の解放。


その具体的なアプローチ方向として、「学校の建設」「放置校舎の改修」「現行の学校の修繕」という3つの方法を掲げています。

山田

放置校舎というと…?

村主さん

かつて世界各地の富裕層が、こぞって途上国の子どもたちのために学校をプレゼントしたことがありました。


ただ…学校を建てたときは想いが込もっていても、時間が経つと維持・管理の難しさに直面


校舎へのサポートも尻すぼみになり、残念ながら廃校になってしまった校舎が乱立しているんですよ。

山田

そんな現実が…

村主さん

「maaaru」プロジェクトでは、不本意にもそうやって放置された校舎をリノベーションし、もう一度命を吹き込みます。


屋根の穴を塞いだり、トイレや水飲み場を整備したり、遊具や机を調達したり。


学ぶためのインフラを整えるところから支援をおこなっているんです。

山田

まず学習環境を整備するところから支援しているんですね。

村主さん

それと同時に、学校運営に欠かせない人材も定着させ、「現地で持続可能な教育システム」を構築します。


子どもたちが安心して教育を受けられる環境を整えながら、教育文化・学習機会が各地域に定着するような仕組みを整えているんです。

「maaaru」の取り組み② 「和の精神」で支援の循環をつくる

村主さん

現状の90%以上の学校は、修繕や建築に留まっておりますが…学習環境が整った一部の施設から、さっそく「教育」を始めています。


「教育カリキュラム」の徹底や、給食や部活動の充実、職業支援も徐々にスタートしはじめました。

山田

教育だけでなく職業訓練まで…?

村主さん

はい。


たとえばブータン王国にある「ダクツォ職業訓練センター」は、国で唯一“障がいを持った青少年”に職業訓練を提供している施設です


学習・生活環境を向上させることで彼らの自立心や自尊心を高め、自信をもって地域社会に貢献できるような人材育成に力を入れています。

村主さん

教育のなかで、人を思いやる「和の精神」も伝えていきたいと思っていて。


聖徳太子が「十七条憲法」に掲げた「和を以て貴しと為す」は、話し合いを大切に互いを尊重して協調しあう心がけのこと。


そうした和」の精神を伝えることで、「maaaru」の卒業生が今度は支援をする側に回り、現地で支援の輪を循環させてほしいと考えています。

「maaaru」の取り組み③ 「寄付文化」の再構築

山田

でも…そういった施設をつくるにはお金がかかりますよね? 資金はどこからきているんですか?

村主さん

財団に寄せられた寄付金を、社会貢献活動をおこなう団体に「助成金」として支給する方法を取っています。


私たちは寄付金を集めて、専門性を持つ団体はそのお金を活かして施設を建設する。


互いに“得意なことを活かすかたち”で、効率的に施設や教育の仕組みをつくっているんです。

「maaaru」の寄付によってリノベーションした校舎(スリランカ)

山田

ちなみに…寄付って誰でもできるものなのでしょうか?

村主さん

はい。個人・企業・団体など、どなたでも寄付いただけます。


寄付の方法は2種類。3,000円から好きな金額で支援ができるもの100万円単位で1施設への支援をおこなうものからお選びください。

村主さん

「100万円の寄付者」と「一つの支援学校」を一対一で対応させるため、自分の寄付金の行方が明確です。


さらに寄付者のコミュニティがとても活発で、支援者自身がみんなでツアーを企画したり、イベントを企画したり、世界の現状を学ぶ勉強会を開催したり、フットサルや音楽のイベントに広がっていったり…


さまざまな分科会があるので、「寄付して終わり」じゃなく、本当の意味で「寄付がスタート」のプロジェクトになっています。

村主さん

誰でも参加できる寄付の仕組みをとることで、「誰かのために寄付できる人は、オシャレでカッコイイ!」という風土をつくり、寄付文化の再構築を目指したいんです


というのも…日本って、寄付というと“偽善”みたいな風潮がまだまだあるじゃないですか。

山田

ありますね…

村主さん

でも私は、「ひたすらお金を稼ぐことがカッコイイ」という“利益至上主義な時代”はもう終わると思っています


人は、誰かが喜んでくれると自分も喜びを感じる生きもの。次の時代は“人のために動ける人”こそが社会の中心になっていくはずです。


経営者や資産家が“金銭的な寄付”をして、そうではない方が“行動による寄付”をおこなっていくことが、効率的で持続可能な寄付活動になると思っています。

子どものころ、なりたかったヒーローに

山田

ところで…村主さんがここまで寄付活動に精力的になるきっかけは何だったんですか?

村主さん

私は大阪大学在学中だった19歳のときに起業して、24歳で金融事業に参入したんですが…


“目の前の利益を追い続ける人生”にふと疑問を抱いた時期があって。


そのときに、「子どものころにヒーローになりたかった理由を思い返したんです。

村主さん

子どもながらにずっと考えていたのは「戦争はなぜ起こるのだろう」「どうして人間同士で争うのだろう」ということで。


敵/味方の概念を壊そうとするヒーローが、ものすごくカッコよく見えました。


年齢を重ねて非営利活動や政治にも目を向けるようになるなかで、自分がなりたかったヒーローに、今ならなれるんじゃないかと。


社会貢献活動を始めたのは30歳のときでした。

山田

憧れのヒーローが「maaaru」の原点だったと。


今後はどのような活動をしていくんでしょうか?

村主さん

現在、私が個人で支援してきた学校を含めて、支援先の学校は約400校近くに増えてきました。


プロジェクトメンバーは、「世界の子どもたちの力になりたい」という想いを持つ人ばかり。


こうしたメンバーと一緒に、教育ネットワークを広げていく仲間も増やしていきたいと思っています。


少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ一緒にあたたかい人のつながりを広げる活動をしましょう!

国や地域を越えて支援活動の幅を広げる村主さん。

子どもたちの目には、まさに“ヒーロー”のように映っているはず。

「社会貢献に興味はあるけど、何から始めたらいいかわからない」「企業で社会貢献をしたい」と考えている方は、ぜひサイトをチェックしてみては?

〈執筆=吉河未布/編集=山田三奈〉

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