「社会的責任」を背負ったモノづくりが、本物を生み出す。海外発・社会の“当たり前”を変えるブランド3選

2000年に入ってロンドンではサードウェーブのコーヒー文化が輸入されたことで、“国民のお気に入り”である紅茶に代わり、コーヒーが10年以上に渡ってハイストリートを席巻してきました。

「GOOD & PROPER TEA」のオーナー・Emilie Holms（エミリー・ホームズ）も、当時その”波”を感じていたと言います。

紅茶はたしかに、英国民のお気に入りの飲み物ではあったものの、カフェやティールームで提供されるお茶の品質は多くの場合“平均的”。

エミリーはコーヒーホリックの友人が楽しんでいるのと同じ体験を、“平均を超えた紅茶”を通じて提供したいと考えました。

そして、2012年に「GOOD & PROPER TEA」のプロジェクトがスタート。

茶葉本来の繊細な甘みや渋みなどの特徴的な風味を持った”ちゃんとした紅茶”を届けるため、1974年製シトロエンのHバンを改造してロンドンの街中でティースタンドを開店させます。

「GOOD & PROPER TEA」のこだわりは、おいしくてちゃんとした、スペシャリティな紅茶を提供すること。

そのためにはお茶の味が良いだけでなく、それぞれのお茶がどこから来て、責任者が誰であるかを正確に把握することが重要だと、エミリーは考えました。

そのため、ブレンド・生産・パッケージングまで、すべて自分たちの目の届く英国内でおこなっています。

契約している単一農園の茶葉（シングルオリジン）のみを取り寄せてブレンドすることで、より味わい深く印象的なオリジナリティのあるお茶を探求。

また、「品質」「持続可能性」「社会的責任」という価値観を共有でき、信頼できる生産者からしか茶葉を仕入れないというのも、エミリーのこだわりのひとつです。

特に人気の高い「Brockley Breakfast（ブロックリー ブレックファスト）」は、サウスロンドンのブロックリー地区にある ”家” にちなんで名付けられました。

アッサム・ケニア・セイロン（ディンブラ）の伝統的なベースに、ダージリンセカンドフラッシュの芳醇な香りがアクセントになっています。

「Darjeeling 2nd Flush（ダージリン セカンドフラッシュ）」は、甘みと渋みのバランスの取れたバラサン茶園と、ヒマラヤ高地の程よい重厚感を持ったグレンバーン茶園の2つの茶葉をブレンドした、完成度の高いフルリーフ。

ほかにも「Assam（アッサム）」や「Chamomile（カモミール）」など、こだわりの詰まった茶葉が揃っています。

イギリスでの取り扱い先は、スペシャリティコーヒーを扱う評価の高いカフェや日本でも名の知れたグロッサリー、百貨店、5つ星ホテルなどが名を連ねます。

「GOOD & PROPER TEA」の役割は、世界中のお茶の生産者が育てた“結晶”をベストの状態で共有できるようキュレートし、“素晴らしい1杯”としてあなたの手の中にあるカップに届けることです。

ぜひ、本場英国のティーカンパニーの珠玉の一杯を楽しんでみてください。

「NEMI Teas」の原点は、オーナーのPranav（プラナブ）が生み出した、“人と人とのつながりと助け合い”です。

プラナブは、ロンドンの街に暮らす外国人、特に中東やアフリカ、自身の故郷でもあるインドの恵まれない環境に生きる人々に雇用の場を設けるため、「CHAIGARAM」という名でチャイの屋台販売を始めました。

彼が起こした環境や人種、労働に対するサステナブルな取り組みは英国内で高く評価され、多くのメディアに取り上げられます。

ちょうど世界的にSDGs（持続可能な開発目標）という言葉が意識されはじめた時期のことでした。

その後彼は、国や政府から資金援助を得て、より多くの恵まれない人々を雇用するため「NEMI Teas」を設立。

「NEMI」というブランド名はプラナブの祖父の名から取られていて、ベンガル語で「円」や「輪廻」を意味します。

持続可能な世界を作る小さな努力ではありますが、パッケージ素材やティーバッグはすべて「プラスチックフリー」。堆肥に還元できる素材が使われています。

ブランドの原点となる「カルダモンチャイ」や「スパイシー チャイ」はオーナーであるプラナブのグランマ（おばあちゃん）の味。本場インドのマサラチャイです。

また「イングリッシュ ブレックファスト」や「アールグレイ」など、英国の風を感じる紅茶も人気です。

そして香り高く力強い、個性が際立った「NEMI Teas」のすべてのオリジナルブレンドは、25年以上英国のお茶の世界でバイヤー・研究家・ブレンダーとして活躍し、執筆も手掛けるウィル・バトル氏が監修しています。

味や香りがはっきりとした「NEMI Teas」はロンドンで話題となり、英国の百貨店や多くのグロッサリーやレストラン、カフェで扱われています。

また、オーガニック素材を使ったお茶（一部オーガニックでない商材もあり）は、健康意識の高いお店でも人気です。

また、紅茶離れしがちな今のイギリスの比較的若い世代にも、お茶の素材や味だけでなく魅力的なパッケージが受け入れられる要素となっています。

「NABLUS SOAP（ナーブルスソープ）」の製造メーカーは、1611年にパレスチナで創業されたナーブルス・ソープ・カンパニー社。

400年の歴史を誇る同社は、著名な石鹸一族・トゥベレ家によって今も守り継がれています。

「石鹸工（床一面に敷き詰められた石鹸を切り出す職人）」のことを“トゥベレ”と言い、トゥベレ家はその語源となった一族としても知られています。

何世紀もかけて栄えてきたナーブルスの石鹸産業ですが…

ナーブルス旧市街の大部分を破壊した1927年の大地震をはじめとした自然災害や、イスラエルの軍事占領などにより、20世紀半ばに減少。

そして第二次世界大戦中、イスラエル軍の軍事攻撃により、ナーブルス歴史的地区でいくつかの石鹸工場が破壊されました。

現在では、ナーブルス・ソープ・カンパニー社を含むたった2軒の石鹸工場が伝統を守りながら操業し、ヨーロッパへの輸出を行っています。

「ナーブルスソープ」は、オリーブオイルと塩の混合物をベースとして少数の天然成分のみで作られています。

天然成分の力を最大限引き出すために、トゥベレ家に代々伝わるレシピは400年以上も受け継がれ、そのままの成分で製造されています。

石鹸の塊は製造者のトゥベレ氏自身によって整形され、特徴的な幾何学形に積み上げられます。

使用に適するまでは、それからさらに数カ月乾燥されなければなりません。仕上げに「NABLUS（ナーブルス）」と刻銘されます。　

合成界面活性剤・石油由来原料不使用、化学合成防腐剤・酸化防止剤・発泡剤・金属封鎖剤・着色料・人工香料は一切使用しない無添加。

全成分が自然素材から作られている、世界でもっとも古いオーガニック石鹸です。

オーガニック認証機関「エコサート(ECOCERT)」の「ORGANIC COSMETIC」と「NATURAL COSMETIC」を取得しています。

肌にトラブルを抱えている方、アトピーやニキビに悩む方、乾燥肌・敏感肌・脂性肌の方など…“石鹸難民”の方からの支持を多くいただいています。

「一度ナーブルスソープを使用すると、普通の石鹸やボディソープが使えなくなる」とおっしゃるお客さまも。

お肌に問題がなくても、調子のいいお肌を維持するためにナーブルスソープを使用される方も多いです。

性別や肌質に関係なく、乳幼児から90代の方にお使いいただいています。