売上アップと働き方改革を両立。石川県の食品メーカーが“店舗DXチャレンジ”で得た目覚ましい成果とは?

売上アップと働き方改革を両立。石川県の食品メーカーが“店舗DXチャレンジ”で得た目覚ましい成果とは?

「TOUCH POINT BI」で、データ経営に挑戦!
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店舗業務の煩わしい作業をすべて自動化してくれるBI(ビジネスインテリジェンス)ツール「TOUCH POINT BI」。

このツールを活用した“店舗DX”に成功している企業のひとつが、石川県で明治44年に創業された「株式会社ヤマト醤油味噌」です。

そこで今回は、株式会社ヤマト醤油味噌で店舗DXを牽引した山本耕平さんと、「TOUCH POINT BI」の開発元でもあり、ヤマト醤油味噌のコンサルタントとして陰で支えた株式会社EBILABの常盤木龍治さんの対談をお届け!

「TOUCH POINT BI」で、店舗がどう生まれ変わったのか…? 導入者の“ナマの声”をお届けします。

ヤマト醤油味噌の商品たち。醤油や味噌だけでなく、塩糀、だし、つゆ、いしる(魚醤)などのさまざまな商品を展開しています (写真提供:株式会社ヤマト醤油味噌)

「データをもとに仮説を立てる」ことで、店舗が変わった

ーー(編集部)まずは、ヤマト醤油味噌が「TOUCH POINT BI」の導入に至ったきっかけを教えてください。

山本さん

石川県の「デジタル化実践道場」という、自社でのAI・IoT導入を検討できる人材を育成するプログラムに参加したのがきっかけですね。


そこで、講師をしていた常盤木さんに出会ったんです。

常盤木さん

たしか、2021年でしたよね。

山本さん

はい、コロナ禍真っ只中でした。


僕はずっと法人セールスをやってたんですが、2020年からいきなりWeb部門に配属が変わり、試行錯誤しまくっている状態だったんです。


いろいろうまくいかないな…と思っていたタイミングで参加したのが「デジタル化実践道場」でした。

常盤木さん

山本さんが参加してくれたのは第一回の開催だったんですが、今振り返っても参加者の熱量が高かったですね。


みなさん自分のお店だけじゃなくて、地域とか産業軸で考えてるんだなっていうのをすごく感じて。


特に山本さんは、物事を抽象度高く考えられるタイプ。この人はDXに向いてるなと、出会ったときから思ってました。

山本さん

ずっとマークされてましたね(笑)。


僕の方もすごく充実した時間を過ごさせていただきました。一回の講義でノートが7〜8ページ埋まるくらい、がむしゃらにメモをとったのを覚えてます。


座学が終わったあとも「ぜひ継続したいね」という話が社内で挙がり、常盤木さんにヤマト醤油味噌の個別コンサルティングアドバイザーとして入っていただくことになりました。

ちなみに山本さんが手書きでノートを取っていたところ、常盤木さんに「今からDX化しようとしてる人がそんなの使ってちゃダメだよ」とめちゃくちゃ怒られたらしい。今では石川県屈指のiPadマスターになっているそうです

ーー(編集部)当時のヤマト醤油味噌はどんな状況だったんですか?

山本さん

データ経営のノウハウがまったくない状態でした。


常盤木さんには接客のスキルを褒めていただけたものの…日々いらっしゃるお客さまに対して、長年の勘と経験を頼りに接客販売してる状況でしたね。

常盤木さん

接客のスキルは、当時からMAXに近いレベルだと感じました。


けれど、たとえば客層に合わせたディスプレイの変更など、データに基づいたアプローチは足りていない印象。


良くも悪くも、接客力を駆使して数字を上げている“スーパーセールス型”でしたよね。

山本さん

そこで、EBILABさんが運営している食堂「ゑびや」の実際の来店予測データを見せてもらいました。


「ゑびや」がどうやって食品の廃棄率を下げていったのかも、具体的に教えていただいて。


当時僕たちは「こめトはな」というチーズケーキ屋専門店を開業したタイミングで、食品ロスに心を痛めていたんです。

「こめトはな」のチーズケーキ。これが廃棄されたらたしかに悲しいな…(写真提供:株式会社ヤマト醤油味噌)

山本さん

翌日準備する数量の予測も僕がやっていたんですが…ここを別のメンバーがデータに基づいて予測できるようになれば効率が上がるし、現場も楽になります。


そこで、まずは「TOUCH POINT BI」の「来店予測AI」から活用してみることに。


同時に、店舗のDX化も本格的に始めることにしました。

ーー(編集部)具体的にはどんな取り組みをされたんでしょうか。

山本さん

多くの観光のお客さまが歩く「ひがし茶屋街」の直営店を舞台にしました。


まずは、入口の外に人通りを測定するカメラを設置。もともと入口に置いていた体温測定のカメラも連動させて、人通りと入店した方の差分から入店率を測定できるようにしました。


さらに、このタイミングでPOSレジも一新。働き方改革も兼ねて、自動釣銭機を使ってレジ業務を簡単にしたと同時に、レジ通過客数も算出できるようになりました。


それで気づいたのは、思った以上にお店の前の人通りが多かったんだというところで。

常盤木さん

想定より何倍も多かったんですよね?

山本さん

はい。1日500~600人と思っていたら、実態はまさかの1日2,000人〜2,500人


あくまで単純計算ですが、この中の1%でも来店してくれる方が増えたら、1カ月に25日営業とすると、年間6,000人もお客さまが増えることになります。


じゃあ、その1%の人に入っていただくにはどうしたらいいだろうか…と、外の格子窓から見える売り場のディスプレイ改善などに取り掛かりました。

常盤木さん

数字として取れたデータをもとに仮説を立てるということが、そのあたりから習慣づいてきたのかなと思います。


実際、入店率と単価を高める手ごたえをつかめてきていますよね。

山本さん

そうですね。僕らはEC販売もやっているので、売上を上げる原理原則自体はある程度理解していたんです。


それに対して、元になる数字が見えないのが実店舗! “数値化”という最大の課題が、「TOUCH POINT BI」でかなり解決できた実感があります。

「TOUCH POINT BI」でデータをチェックする山本さん

売上アップだけじゃない。“働き方改革”まで実現

ーー(編集部)入店率や客単価のほかにも、「TOUCH POINT BI」で改善できたことはありますか?

山本さん

社員の働き方が変わりました。休憩をしっかり取れるようになったんです。

山本さん

うちは真面目な性格の社員さんに恵まれて、休憩がほしいとは言い出せない状況になってしまっていたんです。


それが、常盤木さんにサポートに入っていただいてから始動させた「店長会議」の場で、実は休めてないんですよね…という話がはじめて挙がって。


それはごめん! ということで、社員が1時間休憩を取るための「閉店時間」を設ける決断をしました。

常盤木さん

大事なことですが、勇気のいる決断ですよね。

山本さん

はい。「TOUCH POINT BI」で取ったデータがあったからこそできたことでした。


時間帯ごとの来店人数を見ながら、この時間に閉店したら売上がこのくらいの減少で済むから、これなら許容範囲だよね…と判断できて。


しかも、閉店時間を導入した結果、売上が逆に上がったんです


やっぱり働きつづけるのは長期戦のマラソンだと思うので、適宜休憩を取れるようにという店長の声を活かせたことは大きな収穫でした。

常盤木さん

これは僕らとしてもうれしい成功事例ですね。


ただ機械的にモノを売るだけのビジネスモデルはもう終わりに近づいていると、最近強く感じていて。


お客さまはもちろん、働く人の幸せが持続できることがなにより大切。


3年後、5年後、10年後にどんな企業であるべきか、どんな地域であるべきかを見据えている企業が、勝手に勝っていく時代だと思います。

大事なのは、データやツールを使って“何をするか”

常盤木さん

山本さん、最近は若い同業者の集まりも主催されてると聞いたんですが…

山本さん

そうなんです。めちゃくちゃ内気な人間なのに、なぜか石川県の食品業界の青年部の立ち上げを担ってまして(笑)。


誤解を恐れずに言うと、食品業界はものすごく古いんですよ。70代80代の、うちの祖父くらいの世代の人しか会合にいないような状況で。

常盤木さん

産業構造がずいぶん昔から変わってない?

山本さん

まさに。世代交代があまり上手くいってなくて、同世代が集まれる“横の学び場”もなかったんです。


だからこそ、食品業界の20代〜40代が集まって、今まで内々で抱え込んでいた課題や解決法を共有できるようなコミュニティを作ろうと思って。


県の支援も正式に決まり、公的な団体として立ち上げることができたので、ぜひ常盤木先生にも“食品業界DX”をレクチャーしていただきたいですね(笑)。

常盤木さん

ぜひ(笑)。この3年で、山本さんご自身のDXやデータに対する考え方もだいぶ変わったんじゃないかなと思うんですが、いかがですか?

山本さん

「店舗DXを広めていく」ということ自体が、事業の核になるんだなと感じています。


僕らはひがし茶屋町にある「東山直売所」でようやくデータ活用ができるようになってきましたが、まだまだ全社でデータ経営ができるまでには至っていません。


まずは「東山直売所」の成功事例を社内に広げて、改善に活かせるようにしたいですね。そのために、今は「データの使い手を社内にどうやって増やすか」という課題に真剣に向き合っているところです。


僕個人としては、データDXを使った新たな事業を立ち上げたいとも考えています。

常盤木さん

ヤマト醤油味噌さんの事例が、今後の地域飲食店のいいモデルケースになるのは間違いないと思います。


僕が言うのもなんですが、「データ」や「ツール」自体はあまり重要ではないんです


大事なのは、データやツールを使って“何をするか”。自社を超えた目線でそこに向き合っている山本さんの取り組みは本当に素晴らしいと思います。


まずは北陸から、全国の店舗DXを牽引していただけたらうれしいですね。

山本さん

若干プレッシャーを感じますけど…頑張ります(笑)!

EBILABでは、店舗DXの“ホンモノの現場”を体験できる「ゑびやツアー」も提供中。

山本さんのように、データを活用して自社だけでなく業界全体に改革を起こしたい! と意気込む方はぜひ、こちらの記事をチェックして、ツアーへの参加も検討してみてください!


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